2020年8月9日(日) 夏の教室(オンライン開催、フォーラム)


【オンライン開催(zoom利用)】 9:30~12:00  参加者 学習者11名、ボランティア12名
【対面開催(フォーラム)】 13:30~16:00  参加者 学習者7名、保護者1名、ボランティア14名(新規ボランティア希望の方を含む)

今回初めて、オンラインと対面、両方での開催となりました。
オンライン開催は、運営側にとっても初めてで、どのような事前準備をするべきか模索しながら行い、参加者の方にはご迷惑をおかけした点も多かったのではと思います。
感染者数が増加傾向にある状況からか、オンラインでの学習希望が多く、ボランティアのみなさんにはメールで再度参加のお願いをさせていただきました。直前のお願いになったにもかかわらず、何人もの方がご参加下さり、子どもたちは1対1で学習することができました。
当日初めて対面し、学習することになるペアがほとんどのため、事前に学習者から学習したい内容を聞き取り、可能であれば問題の写真を送ってもらうなどの準備をしました。
担当ボランティアもあらかじめ決めておき、わかる範囲で、学習者の方の普段の様子、希望の学習内容や問題の写真を担当者に事前にお知らせすることができました。また、無料でダウンロード可能な教材サイトや役に立ちそうな動画サイトも事前にお伝えしました。
日本語での意思疎通が難しい学習者には、事前に通訳をお願いしたり、保護者の方にサポートをお願いしたりしました。

 
 

【オンライン開催(zoom利用)】
Zoomへの入室は、子どもたちも思ったよりスムーズでほっとしました。まず子どもたちにzoomの操作に慣れてもらうために、ホワイトボードに自由に書き込んでもらったり、全員参加で間違い探しをしたりしました。
その後、ブレイクアウトセッションでそれぞれのペアでの学習を開始しました。学習内容は、夏休みの宿題、英語の単語、国語の読解、算数の復習、理科の復習、日本語などでした。45分学習したところで一度全員メインセッションに戻り、15分の休憩をとりました。
オンライン学習の場合、大人でも1時間くらいで疲れを感じ、集中力がなくなってしまいます。休憩の後の学習は、それぞれのペアで様子を見て終了していただくことにしました。

終了後ボランティアの方たちには残っていただき、簡単に振り返りを行いました。
全体として、対面と比べると効率がよいとは言えないが、このような形でつながれるのは素晴らしい。操作についても、機器の違いによって何が起こるかわからないことがやっていると出てくるが、何回もしているうちに慣れていくんだろう。という声があがっていました。操作上の問題、教材の準備など、改善すべき点も多く出されています。今後の課題としていきたいと思います。夏の教室での学習をきっかけに、オンラインでの学習を始めることになったペアもあり、やはりまずはやってみることが第1歩だと感じました。(水本みゆき)

<ボランティアの振り返りから>
・学習者があまり発言しないない中を通訳の方が声かけをして、間をつないでくれ、たいへん助かった。(学習者との距離感を縮めるために)ボランティアから写真を見せると、学習者も写真を見せてくれ、おしゃべりもできた。数学の式の展開などは、自分が書いたものを見せることもできたかもしれないが、通訳についてもらったおかげで、スムーズに進めることができ、理解してもらえたと思う。
・用意した問題は「やったことがある」とのことだった。
・用意した問題を学習者が難なく解き、ずんずん進んであまりすることがなかった。運営側から送ってもらった教材のPDFを開けることができなかった。
・やっている間中、恥ずかしいためか 学習者が顔を見せなかった。問いかけには あいまいな返答で、送ったものが見えているか、わかっているかどうかはっきり確認できなかった。教材のファイルを送ったが、届かなかった(相手はタブレット)、URLを送ればよかったが、書きとらないと学習が終われば消えてしまう。PDFへの書き込みがうまく行かず、とても手間取った。
・ワードファイルに問題を入力したり、学習者の発言を入力したりして視覚化し共有している。共有画面のホワイトボードは、お絵かきのようにボランティアと学習者が一緒に楽しむために使っている。
・ホワイトボードへの書き込みはまだ慣れておらず、時間がかかってしまうので使っていない。たいていメモ書き用のワードファイルを開けておいて、文字で見せたい時に入力する。あるいは大きめの紙にマーカーで大きく書いて、画面で見せる。
・準備した教材が学習者にとって簡単で、焦った。後半あたりで 引っかかる問題も出てきたので 一緒に取り組んだ。
・事前に学習したい教材がはっきりしていたので、準備しやすかった。当日本人になぜ既習の教材を学習したいのかを尋ね お話の内容を理解することを目的にした。日本語の語彙が多くなく、日本語ではうまく表現できないかもしれない問いに、保護者がそばにいてサポートしてくださったので、大変助かった。日本語で自力で答えられる部分もあったと思うが、「中国語でもいい」と言ったので、質問に対して 多くが中国語での返答になった。
・低学年の場合、文字情報を見続けるのは集中が続かない。写真や朗読の動画を見せるなどして、変化をつけられたのはよかった。今回はできなかったが、書いたものを見せてもらうなど、共有画面に線を引く、丸をつける(せっかく開始前にみんな「間違い探し」で練習したのに)など学習者にあまり負担をかけず能動的な作業を取り入れ、活動に変化をつけていきたい。
・ファイルをいくつも開いたままにしたので、画面共有の操作がスムーズでなく、学習者に見えているかどうかを確認しながら進めた。

 
 

【対面開催(フォーラム)】
午後の対面での開催では、入室時に参加者全員に体温測定、手指消毒、マスク着用をお願いしました。また、連絡先も記入していただき万一の時にはすぐに連絡を取れるようにしました。
コロナ感染者数が減らない現状では対面での学習に慎重になる保護者が多いためか、午前中のzoomによる勉強会に比べると子どもの参加が少なく、参加した子どもは全て1対1で学習することができました。
ボランティア希望の方も参加して下さっており、学習の様子を見学してもらったり、運営委員とお話して頂く中で活動について知っていただいたりすることもできました。
集中教室では学習終了後、お疲れさまの意味を込めてハンバーガーを食べながら参加者に自己紹介してもらっていますが、現在は集まっての飲食は避けた方がよいと考え、参加者のみなさんにハンバーガーをお土産に帰宅してもらいました。
学習終了後の反省会・交流会では 活動を始めて間もないボランティアの割合が高く、当日見学してくださったボランティア希望者もいたので、夏の教室で どんな勉強をしたか、活動しているボランティアは どこでどのような活動をしているか、新しい方は 入会した動機などを紹介しあいました。ボランティアの中には まだ対面での学習活動が再開できず、学習者どのように連絡を取り合っているかを話す人もいました。
交流会まで残っていた1対1の学習を始めたばかりの中学生は、夏の教室で同年代の学習者と会えることを期待していたが、会えなかったと話していました。
保護者のお迎えを待っていた当日初めて参加した小学2年生が、帰りぎわにさようならを言いにきてくれ、場が和む場面もありました。
最後に 運営委員会から、今後もホームページやメール配信を通じて 施設の利用状況の変化や学習会・交流会などの機会をお知らせするとともに、zoomによるおしゃべりカフェも月2回開催してゆく予定なので 活用していただきたいと伝え終了となりました。(木野美穂)

*この活動は、「三菱財団×中央共同募金会 外国にルーツがある人々への支援活動応援助成事業」の助成を受けて実施しました。
 ご寄付いただいたみなさま、ありがとうございました。

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