2018年3月24日(土) 春の教室(フォーラム)


参加者 学習者18名  ボランティア17名

フォーラムにて春の教室を開催しました。
開催直前の段階で、学習者が約20名に対し、ボランティアが10名ほどで、急きょメールでボランティアの方々に参加をお願いしました。年度末のお忙しい時期に、しかも直前のお願いにもかかわらず、多くのボランティアの方から参加のご連絡をいただき、最終的には子どもたちがほぼ1対1で自分の目的の学習をすることが出来ました。ありがとうございました。
これまで同様、場所が分からない学習者のために、県民センター、戸塚駅それぞれに集合時間を決めて、ボランティアが待機し参加者を引率しました。
参加くださったボランティアの方には、口頭で当日の流れを説明したり、学習者の受付表記入のお手伝いをお願いしたりしていましたが、会場への到着時間が前後するため、全員に漏れなく説明することが難しい状態でした。今回はかんたんなレジュメを作成し、受付時にボランティアの方に配布しました。また、会場のホワイトボードにもスケジュールと注意事項を記載しました。
学習終了後、会場の都合上それぞれが自己紹介をする時間が持てませんでしたが、一つの部屋に集まり、岩松さんから全体の感想を伝えてもらい、一人一つずつお疲れ様のハンバーガーを配って終了となりました。
学習時間は実質1時間半ほどでしたが、どの学習者も熱心に、そしていきいきと学習していました。1対1でその子に合わせた学習をすることが、ひとつひとつの「わかる」「できる」の積み重ねにつながり、学習意欲や学習習慣の定着につながっていくのだと思います。
また、フィリピン出身の大学生が「かつて自分が地域の教室でお世話になったから、今度は恩返しをしたい。」とボランティアとして参加して下さり、学習支援だけでなく中学生に自分の経験を話してくれる機会を持つことが出来ました。身近な同国の先輩の話は、中学生が今後の進路を考える際とても有効な情報です。お互いに連絡先を交換したとのことで、今後も継続した交流がもてるものと思います。
今回も、グループみらいが横浜市内の小中学校に「日本語を母語としない小中学生のための春休みの勉強会」チラシを配布しました。このチラシを学校でもらったり、国際教室の先生から勧められたりして、初めて参加した学習者3名は、いずれも今後も継続した学習を希望されました。地域に学習の場があることを、学習者はもちろん学校の先生方にももっと知っていただく必要があると感じました。

 
 

主な学習内容とボランティアの方の所感は次の通りです。
中3生(4月より高校に進学する生徒)は、高校から出された課題に取り組んだ生徒が多くいました。春休みは宿題が無い小学校が多く、会で用意した問題集などに取り組んでいました。
・来日半年から1年弱の小中学生4人はグループで学習。動詞のグループ分け(て形、ない形、意向形)、日本地図、数の不思議(巡回数142857)
・英語:基礎は良くできているが長文読解は苦手。国語:真剣に学習に取り組んでいた。(中3:日本生まれ。ペルー)
・英語:自分から進んで取り組んでいた。文法などほぼ理解できている。補語と目的語が難しい様子。母語での説明が必要かもしれない。(中3:来日4年。中国)
・中学校の英語の復習をした。単語は良く覚えているが文字が乱雑。(中3:来日5年。中国)
・母国で既習の内容のためか算数は良くできている。きちんと自己主張できる子だと思う。(小4:来日1年。中国)
・算数の問題を読み取るのが難しい。時計もまだ読めないようだった。計算は問題ない。国語の問題の意味を理解せず、形式的に答えようとしていた。(小1:来日半年。フィリピン)
・理科、火山活動や地震について学習。よく理解できている。(中1:来日2年。中国)
・国語の音読と算数の分数(足し算・引き算)の復習。(小4:日本生まれ。中国)
・来日1年ほどで中学校の国語学習はかなり難しいが、意欲的に取り組んだ。詩と漢字の学習をした。(中2:来日9か月。フィリピン)
・漢字ドリル(小4:来日1年。フィリピン)
・家庭内での言語環境が複雑(母:ピサヤ語と英語、父:日本語)。日本語の語彙・読解力が不足している。日本語会話の機会を増やす必要がある。理解力は優れているので日本語力がつけば他教科の成績も飛躍的に伸びるとみられる。算数の解き方で考える力があることが明白だった(小3:来日9か月。フィリピン)
・算数の割合を学習。基本問題は理解できているが応用問題になると難しい。国語:漢字プリントステップ5.6に取り組んだ。5はほぼ満点。6は半分くらいだった。ふだんからしっかり学習している印象(小5:来日1年。中国)
・あーすフェスタ(5月19日、20日にあーすぷらざで開催)の「ティーンズ記者」に参加する生徒2名は、この日の午後が「オルタボイスフェスタ」への取材だったため、質問事項の準備などに取り組んだ。実際午後からの取材では、準備した質問事項に加え、現場で疑問に思ったことなどを追加で質問することが出来ていた。写真撮影のお願いなども積極的に自分から声をかけていた。(ボランティア:水本みゆき)

 
inserted by FC2 system